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くまにじ選管アンケート(熊本県内の全市町村の選管対象)の分析 改訂版

くまにじ選管アンケート 

大津町美里町、南阿蘇村の回答訂正により改訂版発行)
全市町村の回答一覧は、記事の最後に掲載のリンクより閲覧ください。

1 選管アンケート概要

 くまにじでは、熊本県内の全ての市町村の選挙管理委員会に対して「【質問及び要望】投票の際の本人確認における性別情報の利用及び投票関係書類における性別記載について」を2018年10月19日に発送し、〆切を11月5日までとしてアンケート調査を行いました。

 熊本県内の全市町村が回答くださいました。

 

2 回答を受けて

問1 投票の際の本人確認につき性別に関する配慮を選挙事務従事者に周知させるための施策を行っていますか?」

 性別欄を投票所入場券など選挙関係の書類から無くしても、本人確認につき性別に関する配慮が周知されていないと、結局、執拗に本人確認がなされたり、法律上の性別やトランスジェンダーであることがばらされてしまったりしてしまいます。

この点、熊本市人吉市荒尾市合志市、芦北町の5市町については、以下の対応がすでにとられています。

熊本市

研修について「選挙前の研修において、性別を尋ねることがない様に指導している」

手引き等の記載について「本人確認はトランスジェンダーの選挙人も想定されるため、年齢、氏名、住所について確認するもの。(性別の確認はない。)」

人吉市】 「従事者手引きに記載している。なお、本市の場合、本人確認を行う場合は、氏名・生年月日で確認を行うため、性別を聞くことはありません。」

荒尾市】 選挙事務従事者向けの手引きの記載「選挙人との応対にあたっては、性同一性障害等の様々な方がいることを考慮して、選挙人の人権に十分配慮してください。」

合志市】 研修について「選挙事務従事者説明会時に、性別に関する配慮を含め、本人確認の際の注意を促している。」

【芦北町】 「投票の際の本人確認において、性別の確認を行っていない。」

また、【宇城市】は、「次回の選挙より、手引、研修会等で周知する」と回答でした。

「現在は行っていないが、行うことを検討している」との回答は、31市町村からありました。

一方、残念ながら、水俣市上天草市和水町、長洲町、大津町、高森町、湯前町水上村の8市町村は、「行っておらず、行うことを検討もしていない」との回答でした。

前述したとおり、本人確認につき性別に関する配慮が周知されていなければ、執拗な本人確認等がなされる危険があります。そのようなことがあればもちろん、実際にはなくてもそういったことがあるのではと恐れ、投票から足が遠のき、選挙権が実質的には侵害されることになりかねません。ぜひ検討の上、ご変更いただきたいです。

 

「問2 次の各書類の性別表記や性別記入欄の有無について教えてください」

投票所入場券、不在者投票証明書、不在者投票宣誓書(兼投票用紙請求書)、期日前投票宣誓書のいずれの書類にも、性別表記がなく(数字等で一見して分かりにくくしている場合を含みます)、性別記入欄がないと回答したのは、熊本市八代市荒尾市の3市でした。いずれも、投票所入場券に性別そのものの表記はないものの数字等で一見して分かりにくくしているとの回答です。

大津町美里町、南阿蘇村は、いずれにもないとの回答内容でしたが、大津町は11月13日、美里町と南阿蘇村は11月16日に訂正連絡がありました。3町村とも投票所入場券に性別そのものの表記があるとのことです。また、変更の予定については、美里町と南阿蘇村は「検討中」、大津町は「全く予定なし」とのことです。正しい情報を提供することは自治体事務の基本です。難しい質問ではありません。今後は責任をもって正しい情報を提供くださるよう厳に求めます。)

投票所入場券等の4つの書類のいずれかに「性別そのものの表記」や「性別記入欄」がある自治体については、「性別そのものの表記」や「性別記入欄」をやめる予定があるかを聞きました。

人吉市玉名市天草市宇土市阿蘇市合志市の6市がやめる予定あり、との回答でした。

また、検討の度合いは様々と思われますが、検討中と回答した市町村は30市町村でした。

一方、「全く予定なし」と回答したのは、水俣市大津町、高森町、甲佐町湯前町水上村水上村は、「検討したことがないので、今後協議事項とし、方向性を明確にできればと思います」との回答で、今後検討予定と思われます)の6市町村でした。

やめる予定がない理由として、湯前町は、国や県への報告が男女別の集計となっていることをあげておられ、大津町は「男女別で投票数の調査を行っている為」、甲佐町は「報告の実務に必要なため」との回答でした。検討中との回答だった自治体の中にも、報告のことをあげておられるところがありましたが、「性別そのものの表記」や「性別記入欄」がない自治体ややめる予定の自治体も報告の義務は負っているのは同じですので、どの自治体でもやめることは可能なはずです。「検討中」や「やめる予定のない」自治体においては、「性別そのものの表記」等のない自治体の実務を参考にしてやめる方向で進めて頂きたいです。

また、4書類のうち、特に投票所入場券についてはシステム改修が必要となると考えられます。システム改修の費用等が実際どの程度かかるものなのかは、すでにやめた、または、やめる予定の自治体からぜひとも話を聞いていただければと思います。思ったほど案外かからないということもあるように思います。

ところで、やめる予定なしの理由として、水俣市は「問題として認識しているが、今のところ市民からの要望はないため」、高森町は「実際に、当委員会に対して有権者の方から改正等の要望が無いため」ということをあげておられます。また、検討中との回答だった五木村についても、「住民等からの要望があれば検討する。(現時点での要望はない。)」との記載がありました。

この3市町村については特に、要望を寄せることが変更に繋がると考えられます。匿名でもかまいませんので、お住まいの方はぜひ要望を自治体に届けていただければと存じます。

ただ、現在の住民や今後転居してくる住民に投票関係書類の性別そのものの記載等で困る方がいらっしゃる可能性はあるところ、性別そのものの表記を無くす等の要望を寄せることは、実際に投票で困ることがある場合には特に困難であると考えられます。水俣市、高森町、五木村においては、要望がなくても対応を進めてくださることを求めます。

PDFファイル

くまにじ選管アンケート公開用 20181116改訂版.pdf - Google ドライブ

 

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